実家じまいとは、親が住んでいた家を片付け、最終的に売る・貸す・解体するなどして、家の行き先を決めるまでの一連の作業のことです。
片付け、相続、売却が絡み合うため、順番を間違えると時間もお金も余計にかかります。この記事では、何から始めてどの順で進めるかを整理します。
実家じまいの全体の流れ
おおまかな流れは次のとおりです。
- 家族で方針を決める(誰が引き継ぐか、売るか残すか)
- 貴重品と重要書類を確保する
- 相続の手続きを進める
- 家財を片付ける
- 家を売る・貸す・解体する
最初の「方針を決める」を飛ばさないことが、いちばん大切です。
1. 家族で方針を決める
片付けを始める前に、家族で次の点を話し合ってください。
- 家を誰が引き継ぐのか
- 将来、売るのか、貸すのか、しばらく残すのか
- 形見として残したいものは何か
方針が決まらないまま片付けを始めると、後で必要になる書類や、家族の誰かが残したかった品を処分してしまうことがあります。
2. 貴重品と重要書類を先に確保する
業者に片付けを頼む前に、次のものは必ず自分たちで探して確保してください。
- 通帳、キャッシュカード、印鑑
- 権利証(登記識別情報)、固定資産税の通知書
- 保険証券、年金手帳
- 遺言書、エンディングノート
- 現金、貴金属
特に遺言書は、見つかった場所と状態をそのままにして、中身を確認する前に専門家へ相談してください。自分で書かれた遺言書は、家庭裁判所での手続きが必要な場合があります。
3. 期限のある相続の手続き
相続には、期限が決まっている手続きがあります。
- 相続放棄:相続を知ったときから3か月以内(家庭裁判所)
- 準確定申告:亡くなった方の所得税の申告。相続を知った日の翌日から4か月以内
- 相続税の申告:必要な場合、相続を知った日の翌日から10か月以内
- 相続登記:不動産を相続したことを知った日から3年以内(2024年4月から義務化)
借金が多いなど、相続放棄を考える場合は注意が必要です。家財を処分したり売ったりすると、相続を認めたとみなされることがあります。判断に迷うときは、片付けを始める前に専門家へ相談してください。
時期の考え方は遺品整理はいつから始める?で詳しく書いています。
4. 家財を片付ける
方針と手続きの見通しが立ったら、家財の片付けに入ります。
自分たちで進める場合
- 1部屋ずつ、「残す」「譲る」「手放す」に分ける
- 値がつきそうな家具・家電・骨董品は、処分する前に査定を受ける
- 大型ごみは神戸市の収集を使うと費用を抑えられますが、申し込みから収集まで日数がかかります
神戸市の大型ごみと業者の使い分けは神戸市の粗大ごみと業者依頼はどう違う?にまとめています。
業者に頼む場合
一戸建ての家財一式となると、費用は数十万円になることも珍しくありません。間取りや物量、搬出のしやすさで大きく変わるため、必ず複数の業者から見積もりを取ってください。
- 見積書に追加料金の条件が書かれているか
- 買取できる品を費用から差し引いてもらえるか
- 立ち会いなしで対応できるか(遠方の場合)
費用の目安は遺品整理の費用相場、進め方の詳細は親の家の片付け手順が参考になります。
5. 家を売る・貸す・解体する
家財がなくなったら、家の行き先を決めます。
- 売る:まず複数の不動産会社に査定を依頼し、相場を知る
- 貸す:修繕費と家賃収入のバランスを確認する
- 解体する:更地にすると売りやすくなる場合がある一方、固定資産税が上がることがあります
相続した空き家を売る場合、一定の条件を満たすと、売却益にかかる税金が軽くなる特例があります。要件や適用期限があるため、売却の前に税理士や税務署で確認してください。
空き家のまま置いておく場合のリスクと選択肢は実家が空き家になったらにまとめています。
実家じまいにかかる期間の目安
家の状態や家族の事情で大きく変わりますが、おおまかな目安は次のとおりです。
- 方針の話し合いと書類の確保:数週間〜数か月
- 相続の手続き:数か月(相続税の申告が必要な場合は、10か月の期限を意識して進めます)
- 家財の片付け:業者に頼めば一戸建てでも数日程度。自分たちで進めると数か月かかることもあります
- 売却:査定から引き渡しまで、数か月〜半年以上
全体では半年〜1年ほどかかることが珍しくありません。賃貸物件の退去や相続税の申告など、期限のある事情から逆算して計画を立ててください。
兄弟姉妹で揉めないために
実家じまいでいちばん時間がかかるのは、実は作業ではなく家族の合意です。
- 誰が窓口になるか(役所、不動産会社、業者とのやり取り)を決める
- かかった費用と、誰が立て替えたかを記録しておく
- 形見分けは、全員が集まれる日にまとめて行う
- 売却するかどうかの判断は、査定額が出てから改めて話し合う
特に費用の立て替えは、あとで精算するときの火種になりやすいところです。領収書を残し、簡単な一覧にしておくだけで、話し合いがずっと楽になります。
神戸市の実家じまいで気をつけたいこと
神戸市は、坂道や細い路地、階段の多い住宅地が少なくありません。トラックが家の前まで入れない場合、搬出に人手と時間がかかり、片付けの費用が上がることがあります。
見積もりの際は、道幅や駐車場所、階段の有無を必ず伝えてください。区ごとの事情は対応エリアのページで紹介しています。
まとめ
- 片付けより先に、家族で方針を決める
- 貴重品と重要書類は自分たちで先に確保する
- 相続放棄を考えるなら、家財を処分する前に専門家へ
- 業者に頼むなら、複数の見積もりを比べる
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