離れて暮らす親の家が、物であふれている。近所の家から、においや虫が出てきて困っている。
神戸市には、こうした「ゴミ屋敷」の問題に取り組むための条例と、区役所の相談窓口があります。条件を満たせば、片付けの費用を市が支援する制度もあります。
この記事では、神戸市の条例と要綱をもとに、相談先と市の対応の流れ、家族ができることをまとめます。
先に、要点をお伝えします。
- 相談先は、お住まいの区の区役所(地域協働課)です
- 市はまず、住んでいる人への働きかけと、福祉・医療の支援から始めます
- 収入や資産が少ないなどの条件を満たすと、撤去費用などを1件100万円まで支援する制度があります
- 家族が片付けを進めるときは、本人の同意を得て、少しずつ進めることが大切です
※当サイトは片付け業者ではなく、費用の目安や業者選びの考え方をお伝えする情報サイトです。支援の内容は変わることがあるため、区役所で最新の内容を確認してください。
神戸市には、ゴミ屋敷の条例がある
神戸市は、2016年に「神戸市住居等における廃棄物その他の物の堆積による地域の不良な生活環境の改善に関する条例」を定めています(神戸市:ごみ屋敷にお困りの方へ)。
対象になるのは、ごみや物を家にため込んだことで、次のような状態が起き、近所の衛生や生活環境に支障が出ている建物です。
- 悪臭がする
- 衛生上有害な虫などが発生している
- 火事が起きるおそれがある
相談先は区役所
ゴミ屋敷の相談は、お住まいの区の区役所(地域協働課)が窓口です。神戸市の事務の取り決めでは、区役所の福祉の部署(保健福祉課・生活支援課)も窓口になっています。
家族の方も、近所の方も、まずは区役所に相談してください。
住んでいる人の生活の困りごと(お金・仕事・住まいなど)は、各区役所の「くらし支援窓口」でも相談できます。親が高齢で、介護が必要かもしれない場合は、地域の「あんしんすこやかセンター」(地域包括支援センター)も相談先になります。
市の対応の流れ
- 住んでいる人への働きかけ:市は、住んでいる人に建物を適切に管理するよう働きかけます
- 福祉・医療の支援:自分で管理できない事情があれば、介護サービスの導入など、生活上の課題を解決するための支援を検討します
- 条例による措置:働きかけても改善しない場合は、近所への影響の程度に応じて検討会を開き、助言・指導、勧告、命令を行います
- 代執行:命令に従わない場合、市が片付けを行うことがあります(費用は住んでいる人の負担)。措置にあたっては、学識経験者の意見を聞きます
市の基本的な考え方は、いきなり強制するのではなく、住んでいる人の生活を支えながら解消をめざすことです。
撤去費用の経済的支援(上限100万円)
神戸市には、ゴミ屋敷の解消にかかる費用を支援する制度があります(神戸市:経済的支援に関する要綱(PDF))。
支援を受けられる条件
市が、建物の状態が「助言・指導」以上の段階にあると認めた場合で、次のすべてに当てはまるときです。
- その年度の市民税がかかっていない(住んでいる人と、同じ世帯の人)
- 現金・預貯金の合計が、ひとり暮らしなら150万4,000円以下(同じ世帯の人が1人なら178万円以下、2人以上なら200万円以下)
- 不良な状態を解消することに、本人が同意している
- 必要な福祉・医療の支援や、再発を防ぐ方法が検討されている
- これまでにこの支援を受けたことがない
支援の内容
- 対象:ごみや物の処分、悪臭の除去、害虫の駆除など
- 費用:片付けを業者に頼んだ場合の委託料、作業に使う物品の費用、ごみの処理手数料など
- 上限:1件100万円(資産の額などに応じて上限が決まります。予算の範囲内)
市民活動団体などと一緒に片付ける場合の、作業した人の実費(1人2,000円まで)やボランティア保険の保険料も対象になります。
条件に当てはまるかどうかは、区役所で相談してください。
家族ができること
親の家がゴミ屋敷になっている場合、家族がいちばん悩むのは「どう声をかけるか」です。
- 責めない:「捨てて」「汚い」と言うと、本人はかえって心を閉ざします。「転ばないか心配」「火事が心配」など、本人の安全を理由に話すと受け入れられやすくなります
- 本人の同意を得る:本人の物を勝手に捨てると、関係がこじれ、また物がたまる原因になります
- 少しずつ進める:まず通路、次に台所など、範囲を決めて進めます
- 体や心の変化に気づく:急に片付けられなくなった場合は、体調の変化や、判断する力の衰えが背景にあることもあります。区役所やあんしんすこやかセンターに相談してください
業者に頼む場合は、近所に知られにくい作業の方法や、費用の目安をゴミ屋敷の片付け費用【神戸市】にまとめています。業者を選ぶときは、神戸市の不用品回収、許可のある業者の見分け方もあわせてご覧ください。
遠方に住んでいて、なかなか実家に行けない場合は、遠方に住んでいて立ち会えない遺品整理の進め方も参考になります。
近所の家で困っている場合
- 区役所(地域協働課)に相談する:においや虫、火事の心配など、困っている状態を具体的に伝えます
- 直接の苦情は慎重に:住んでいる人が、病気や孤立など事情を抱えていることがあります。トラブルを避けるためにも、市の窓口を通すことをおすすめします
- 賃貸住宅の場合:大家さんや管理会社にも相談します
まとめ
- 神戸市には、ゴミ屋敷の条例があります。相談先は区役所(地域協働課)です
- 市は、働きかけと福祉・医療の支援から始め、改善しない場合に助言・指導、勧告、命令、代執行へと進みます
- 収入や資産が少ないなどの条件を満たすと、撤去費用などを1件100万円まで支援する制度があります
- 家族は、本人を責めず、同意を得て、少しずつ進めることが大切です