相続した実家が空き家のまま。解体するにも費用がかかる。神戸市には、空き家の解体や活用に使える補助があります。
この記事では、神戸市の2026年度の制度をもとに、補助の中身と申請の流れ、片付けから解体までの順番をまとめます。
先に、要点をお伝えします。
- 神戸市の「老朽空家等解体補助」は、1986年12月31日以前に建てられた、傷んだ空き家が対象です。補助額は床面積に応じて20万〜60万円です
- 申請は、解体業者と契約する前に行う必要があります
- 2026年度の受付は2027年1月12日までですが、先着順で、9月末時点で予算の64%に達しています
- 空き家を地域活動などに使う場合は、家財の片付けも対象になる補助があります
※当サイトは片付け業者ではなく、費用の目安や業者選びの考え方をお伝えする情報サイトです。補助の内容は年度ごとに変わります。申請の前に、必ず神戸市の公式ページとすまいるネットで最新の内容をご確認ください。
老朽空家等解体補助の対象
神戸市内にある、次の条件を満たす空き家を、その所有者が解体する場合に補助が出ます(神戸市:老朽空家等解体補助制度)。
- 1986年(昭和61年)12月31日以前に建てられた建物であること
- 腐朽や破損がある空き家であること
- 補助の申請をする日より前に、空き家になっていること
- 敷地内の附属する建物、道に面した門・塀、車庫・カーポート、立木なども、原則すべて撤去すること
2026年度から、対象となる建築時期が「1981年5月以前」から「1986年以前」に広がりました。個人でも法人でも申請でき、相続や売買で取得した空き家も対象になります。
補助額
登記上の床面積(または課税床面積)の合計で決まります。補助対象の事業費が上限です。
- 30㎡未満:20万円
- 30㎡以上:30万円
- 40㎡以上:40万円
- 50㎡以上:45万円
- 60㎡以上:50万円
- 70㎡以上:55万円
- 80㎡以上:60万円
3戸以上の共同住宅・寄宿舎で、床面積が100㎡以上の場合は、70万〜100万円です。
申請の流れと注意点
- すまいるネットの専用ダイヤルに電話して予約する:老朽空家解体補助専用ダイヤル 078-647-9969
- 予約した日に、すまいるネットの窓口で相談・申請する:窓口は予約制です
- 交付が決まってから、解体業者と契約し、工事を始める
いちばん大切なのは、申請の前に解体の契約や工事を始めると、補助の対象外になることです。見積もりを取るのは構いませんが、契約は申請の後にしてください。
2026年度の受付期間は、2026年3月2日から2027年1月12日までです。ただし先着順で、予算の上限に達した時点で終わります。2026年9月末の時点で、予算の64%に達していると案内されています。解体を考えているなら、早めに相談してください。
家の中に残った家財の片付けが補助の対象になるかは、公式ページに書かれていません。相談の予約をするときに確認してください。
密集市街地では、別の除却補助がある
灘北西部、兵庫北部、長田南部、東垂水の「密集市街地再生優先地区」では、別の補助があります(神戸市:密集市街地建物除却事業)。
- 対象:1981年5月31日以前に着工した木造の建物
- 補助額:除却にかかる費用の3分の2。上限は戸建て128万円、集合住宅256万円
- 跡地に建て替える場合は、準耐火建築物と同等以上の燃えにくい建物にすることが条件です
対象の地区に実家がある場合は、どちらの制度を使えるか、すまいるネット(078-647-9933)で確認してください。
解体せずに活用する場合の補助
空き家地域利用補助
空き家を改修して、社会貢献活動や地域活動に2年以上使う場合の補助です(神戸市:空き家地域利用補助)。
- 対象:神戸市内(レッドゾーンを除く)の一戸建てや長屋の一住戸で、全体が使われていない空き家
- 補助の対象になる費用:家財の整理・処分、不動産の仲介、登記、調査・診断、改修の設計・工事など
- 補助額:対象経費の2分の1。上限200万円
- 2026年度の受付:2026年4月20日から12月10日まで(予算に達した時点で終了)
こちらも、交付が決まる前に契約や作業を始めたものは対象外です。
相談窓口
空き家を貸す・売る・使ってもらうといった活用は、すまいるネットの「空き家等活用相談窓口」で、専門の相談員に相談できます(神戸市:空き家の相談窓口)。
- すまいるネット:078-647-9933(10時〜17時、水曜・日曜・祝日は休み)
- 所在地:神戸市長田区二葉町5-1-1 アスタくにづか5番館2階
売却するなら、税の特例も確認する
相続した実家を売る場合、一定の条件を満たすと、売却益から最高3,000万円を差し引ける特例があります(国税庁:被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例)。
- 1981年5月31日以前に建てられた家であること(解体補助の「1986年以前」とは基準が違います)
- 相続の直前まで、亡くなった人がひとりで住んでいたこと(老人ホームに入っていた場合も、条件を満たせば対象)
- 相続の日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること
- 売却代金が1億円以下であること
- 耐震改修をするか、取り壊すこと(売った年の翌年2月15日までに行えば対象)
2024年1月1日以後の売却で、相続人が3人以上の場合は、差し引ける額が2,000万円までになります。確定申告が必要で、適用には期限もあるため、売る前に税理士や税務署で確認してください。
片付けから解体までの順番
- 形見分けと貴重品の確保:残したい物、権利書や通帳などを先に取り出します
- 補助を使えるか確認する:すまいるネットに相談の予約をします
- 片付けと解体の見積もりを取る:契約はまだしません
- 補助を申請する:交付が決まるのを待ちます
- 片付けと解体の契約・作業
- 売却・活用
家財の片付けを先に業者に頼む場合も、解体の補助の申請より前に解体工事の契約をしないよう注意してください。
放っておくと、税金が上がることも
空き家でも、建物が建っている土地は固定資産税の「住宅用地の特例」で税が軽くなっています。
ただし、管理されずに傷んだ空き家は、市から指導や勧告を受けることがあります。勧告を受けると、この特例が外れて税が上がる場合があります。解体した場合も特例は外れるため、解体の前に、売却や活用の計画とあわせて考えてください。
空き家の選択肢(売る・貸す・解体する・持ち続ける)は、実家が空き家になったら【神戸市】で詳しく紹介しています。
まとめ
- 神戸市の老朽空家等解体補助は、1986年以前に建てられた傷んだ空き家が対象で、補助額は20万〜60万円です
- 申請は解体の契約より前に。予約制で、すまいるネットの専用ダイヤル(078-647-9969)から始めます
- 2026年度は先着順で、9月末時点で予算の64%に達しています
- 地域活動などに使うなら、家財の片付けも対象になる補助(上限200万円)があります
- 売るなら、相続空き家の税の特例も確認します
実家の片付けの進め方は実家じまいの進め方【神戸市】、費用の目安は遺品整理の費用相場【神戸市】をご覧ください。