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遺品整理

遺品整理の費用は誰が払う?相続人・遺産・相続放棄・賃貸の場合の考え方

遺品整理の費用は、ふつうは相続人が負担します。遺産から払うか、相続人で分けるか。相続放棄を考えているときや賃貸の場合の注意点、相続税との関係、揉めないための決め方をまとめました。

親が亡くなり、実家の片付けを業者に頼むと数十万円かかる。この費用は、誰が払えばいいのでしょうか。

結論から言うと、法律で「この人が払う」と決まっているわけではなく、ふつうは相続人が負担します。遺産から払うか、相続人で分けるかを、話し合って決めます。

先に、要点をお伝えします。

  • 遺品は相続人が引き継ぐ財産なので、片付けの費用も相続人が負担するのが一般的です
  • 払い方は「遺産から払う」「相続人で分ける」「1人が負担する」の3つです
  • 相続放棄を考えているなら、遺産から払ったり遺品を処分したりする前に、専門家に相談してください
  • 遺品整理の費用は、相続税の計算で差し引ける葬式費用には含まれていません

※当サイトは遺品整理業者ではなく、費用の目安や業者選びの考え方をお伝えする情報サイトです。相続や税の判断は、個別の事情で変わります。弁護士・司法書士・税理士などの専門家にご確認ください。

基本は相続人が負担する

遺品整理の費用について、「誰が払う」と定めた法律の条文はありません。

ただ、亡くなった人の財産(遺品を含む)は、相続人が引き継ぎます。そのため、遺品の片付けも相続人が行い、費用も相続人が負担するのが一般的です。

民法には「相続財産に関する費用は、その財産の中から支弁する」という規定があります(民法885条)。遺産の管理に必要な費用は、遺産から出すという考え方です。遺品整理の費用がどこまでこれに当たるかは事情によるため、遺産から払う場合は相続人どうしで合意しておくと安心です。

払い方は3つ

1. 遺産から払う

故人の預貯金などから払う方法です。相続人全員の負担が、相続する割合に応じて公平になります。

故人の預金口座は、亡くなったことを金融機関が知ると、引き出せなくなるのが一般的です。遺産分割の前でも、相続人が一定額まで払い戻せる制度があります(1つの金融機関につき150万円が上限)。手続きは各金融機関に確認してください。

ただし、相続放棄を考えている人がいる場合は注意が必要です(後で説明します)。

2. 相続人で分ける

相続人どうしで、費用を分けて負担する方法です。相続する割合(法定相続分)で分けることも、話し合って別の割合にすることもできます。

1人が立て替える場合は、領収書を必ず保管し、誰がいくら負担するかを決めておきます。遺産分割協議書に書いておくと、後から揉めにくくなります。

3. 1人が負担する

実家を相続する人や、遺産を多く受け取る人が負担する方法です。その分を遺産の分け方で調整することもあります。

不公平に感じる人が出やすいので、依頼する前に全員で合意しておくことが大切です。

相続放棄を考えているとき

相続放棄を考えているなら、片付けを始める前に、必ず専門家に相談してください。

遺産を処分すると、相続を認めた(単純承認した)とみなされ、相続放棄ができなくなるおそれがあります(民法921条)。遺産から遺品整理の費用を払うことや、価値のある遺品を売ったり捨てたりすることが、これに当たる可能性があります。

相続放棄は、自分が相続人になったことを知ってから3か月以内に、家庭裁判所に申し立てる必要があります(民法915条)。

また、2023年4月の民法改正で、相続放棄をした人が、放棄した時に遺産を実際に管理(占有)している場合は、ほかの相続人などに引き渡すまで、その財産を保存する義務を負うと定められました(民法940条)。

賃貸の部屋と相続放棄の関係は、賃貸の遺品整理と相続放棄の注意点で詳しく紹介しています。

賃貸の場合

故人が借りていた部屋の契約は、相続人が引き継ぎます。そのため、部屋の明け渡しや残された家財の撤去は、原則として相続人が対応します。

  • 連帯保証人がいる場合:家賃の滞納や原状回復の費用を、保証人が請求されることがあります
  • 退去の期限がある場合:家賃がかかり続けるため、早めに大家さんや管理会社と期限を相談します
  • 相続人全員が相続放棄した場合:大家さんが、家庭裁判所に相続財産清算人を選んでもらうなどの手続きを取ることになります

なお、国土交通省は、ひとり暮らしの高齢者が部屋を借りるときに、亡くなった後の家財の処分を任せる人を決めておく「残置物の処理等に関するモデル契約条項」を公表しています。

相続税で差し引けるか

相続税の計算では、葬式費用を遺産から差し引くことができます。

ただし、国税庁が示す「相続財産から控除できる葬式費用」に、遺品整理の費用は含まれていません(国税庁:相続財産から控除できる葬式費用)。一般的に、遺品整理の費用は差し引けないと考えられています。

相続税がかかりそうな場合は、税理士や税務署に確認してください。

揉めないための決め方

  • 見積もりを相続人全員で共有する:金額と作業の範囲を、全員が見てから決めます
  • 誰が払うかを先に決める:依頼する前に、払い方(遺産から・分担・1人)を決めます
  • 形見分けを先に済ませる:残したい物を先に分けておくと、「勝手に捨てられた」という揉めごとを防げます
  • 領収書と見積書を保管する:立て替えた費用を後で精算するときに必要です

親の家の片付けを兄弟で進める順番は、親の家の片付け手順【神戸市】にまとめています。

費用を抑えるには

間取り別の費用の目安は、遺品整理の費用相場【神戸市】をご覧ください。

まとめ

  • 遺品整理の費用は、ふつうは相続人が負担します
  • 払い方は「遺産から払う」「相続人で分ける」「1人が負担する」の3つ。依頼する前に全員で決めます
  • 相続放棄を考えているなら、遺産から払う前、遺品を処分する前に専門家へ相談します
  • 遺品整理の費用は、相続税で差し引ける葬式費用には含まれていません