親が亡くなり、神戸の実家を売ることになった。けれど、家の中には家財がそのまま残っている。
遺品整理は、売る前に全部済ませないといけないのでしょうか。どこまで片付ければいいのでしょうか。
結論から言うと、片付けの範囲は「どう売るか」で変わります。先に売り方の見通しを立ててから片付けると、手間も費用も無駄になりません。
先に、要点をお伝えします。
- 査定は、片付けの前でも受けられます。先に査定を受けて、売り方を決めます
- 仲介で売るなら、家の中を空にして引き渡すのが一般的です。買取なら、家財が残ったまま引き取ってもらえることもあります
- 相続した不動産は、相続登記が義務になっています(2024年4月から)
- 書類(権利証、固定資産税の通知書など)は、片付けの前に必ず取り分けます
※当サイトは片付け業者や不動産会社ではなく、費用の目安や業者選びの考え方をお伝えする情報サイトです。相続や税の判断は、司法書士・税理士などの専門家にご確認ください。
まず、売り方の見通しを立てる
実家の売り方は、大きく2つです。
- 仲介:不動産会社に買い手を探してもらう。時間はかかるが、価格は高くなりやすい
- 買取:不動産会社が直接買い取る。早く売れるが、価格は仲介より低くなりやすい
片付けの範囲は、この売り方で変わります。
- 仲介の場合:買い手が決まったら、家の中を空にして引き渡すのが一般的です。内覧の前に、ある程度片付けておくと印象がよくなります
- 買取の場合:家財が残ったままでも引き取ってくれる会社があります。その分、片付けの費用が買取価格から差し引かれることもあります
査定は片付けの前でも受けられます。物が残っていても、建物と土地の価値は見てもらえます。先に査定を受け、仲介と買取のどちらにするかを決めてから片付けの範囲を決めると、二度手間になりません。
神戸市の坂の上の家や、車が入れない細い道に面した家、古い木造の家は、一般の買い手が見つかりにくく、買取のほうが現実的な場合があります。
売る前にやること(順番)
- 貴重品と書類を取り分ける:片付けを始める前に、下の「売却に必要な書類」を探しておきます
- 相続人で、売ることと分け方を決める:誰が相続するか、売った代金をどう分けるかを決めます
- 相続登記をする:売るには、亡くなった方から相続人へ名義を変える必要があります
- 査定を受けて、売り方を決める:2〜3社に査定を頼みます
- 片付けの範囲と時期を決める:仲介なら引き渡し日から逆算、買取なら残してよい物を確認します
- 片付け・売却・引き渡し
相続登記は義務になっている
2024年4月1日から、相続で不動産を取得した人は、取得を知った日から3年以内に相続登記をすることが義務になりました。正当な理由なく怠ると、10万円以下の過料の対象になります(法務省:相続登記の申請義務化について)。
2024年4月より前に相続した不動産も対象で、その場合の期限は2027年3月31日です。売るかどうかにかかわらず、早めに司法書士に相談してください。
売却に必要な書類(片付けの前に探す)
家財と一緒に捨ててしまうと、取り直しに手間がかかる書類です。
- 権利証(登記済証)または登記識別情報
- 固定資産税の納税通知書
- 購入したときの売買契約書・重要事項説明書
- 建築確認の書類・図面
- 土地の測量図や、境界の確認書
- リフォームの記録や、設備の保証書
見つからなくても売ることはできますが、手続きに時間がかかったり、売却の条件に影響したりすることがあります。
片付けで決めておくこと
- 残す設備:エアコンや照明、物置などを残すかどうかは、買い手との取り決めになります。不動産会社と相談してから片付けます
- 庭木や物置の中:見落としやすい場所です。見積もりの範囲に入っているか確認します
- 家電4品目:エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機は、大型ごみに出せません。神戸市で家電を処分する方法
- 値がつく品:家具・着物・骨董などは、買取で片付けの費用を下げられることがあります。遺品整理の費用を買取で下げる方法
費用と税金
片付けの費用
費用は、間取りと物量、搬出のしやすさで変わります。間取り別の目安は遺品整理の費用相場【神戸市】にまとめています。費用を相続人でどう分けるかは、遺品整理の費用は誰が払う?をご覧ください。
売ったときの税金
不動産を売って利益が出ると、税金がかかります。利益の計算では、仲介手数料や、売るために建物を取り壊した費用などを「譲渡費用」として差し引けます(国税庁:譲渡費用となるもの)。家財の片付けの費用が差し引けるかどうかは、国税庁のページに明記されていないため、税理士や税務署に確認してください。
相続した実家を売る場合は、条件を満たすと、売却益から最高3,000万円を差し引ける特例もあります。詳しくは神戸市の空き家の解体補助と活用支援【2026年度】の「売却するなら、税の特例も確認する」で紹介しています。
解体してから売るなら、補助を確認する
古い家を取り壊して土地として売る場合は、神戸市の老朽空家等解体補助(1986年以前の建物・20万〜60万円)が使えることがあります。申請は、解体業者と契約する前に行う必要があります。
不動産会社と遺品整理業者の連携
売却と片付けを同時に進めるときは、次の進め方があります。
- 不動産会社に片付けの業者を紹介してもらう:日程の調整が楽になります。ただし、見積もりは自分でも確認します
- 自分で遺品整理業者を探す:2〜3社の見積もりを比べられます。引き渡し日を最初に伝えます
- 買取の会社に、家財ごと引き取ってもらう:片付けの手間はかかりませんが、その分が価格に反映されることがあります
どの場合も、見積書に作業の内訳と、追加料金がかかる条件が書かれているかを確認してください。遺品整理の見積もりで確認すること
また、神戸市で家庭の不用品を運べるのは、市の許可業者か、許可業者の組合と契約する仕組み(三者契約)を使う業者です。神戸市の不用品回収、許可のある業者の見分け方
迷ったときの相談先
- すまいるネット(空き家等活用相談窓口):神戸市の窓口です。専門の相談員が、売る・貸すなどの活用について助言し、希望に応じて事業者から提案を受けられます(078-647-9933)
- 司法書士:相続登記、相続人どうしの名義の整理
- 税理士:売ったときの税金、特例が使えるか
遠方に住んでいて、なかなか実家に行けない場合は、遠方に住んでいて立ち会えない遺品整理の進め方も参考にしてください。
まとめ
- 片付けの範囲は、仲介か買取かで変わります。先に査定を受けて、売り方を決めます
- 相続登記は義務です。2024年4月より前の相続は2027年3月31日が期限です
- 権利証や固定資産税の通知書などの書類は、片付けの前に取り分けます
- 片付けの業者は、不動産会社の紹介でも自分で探しても、見積もりの中身を確認します
実家の片付け全体の流れは、実家じまいの進め方【神戸市】で紹介しています。