終活は「人生の終わりに向けた準備」と言われますが、実際にやることは、残された家族が困らないように、お金・住まい・モノ・想いを整理しておくことです。
やることが多いぶん、順番が分からずに止まってしまう方が少なくありません。この記事では、終活を4つに分けて、何から手をつけるかを整理します。
終活でやることは、4つに分けると迷わない
終活の中身は、おおむね次の4つに分かれます。
- お金と契約:預貯金、保険、年金、ローン、毎月の引き落とし
- 住まい:自宅をどうするか、施設や住み替えの希望
- モノ:家財の整理、形見分け、処分
- 想い:医療・介護・葬儀の希望、家族へ伝えたいこと
すべてを一度に進める必要はありません。影響の大きいものから、順番に片付けていけば十分です。
まず手をつけるべきは「お金と契約」
最初におすすめするのは、お金と契約の棚卸しです。理由は、家族が後で最も困るのが、どこに何があるか分からないことだからです。
一覧にしておきたいもの
- 銀行・証券会社の口座(銀行名と支店名だけでも十分です)
- 生命保険・医療保険の保険会社と証券の保管場所
- 年金の種類と受け取り口座
- クレジットカード、毎月の引き落とし(公共料金、サブスクリプション)
- 借入金やローンの有無
暗証番号やパスワードそのものを書く必要はありません。「どこに、何があるか」が分かれば、家族は手続きを進められます。
次に考えたい「住まい」
持ち家の場合、自分が亡くなった後にその家をどうするかは、家族にとって大きな負担になります。
- 住み続けるのか、施設や子どもの近くに住み替えるのか
- 家を誰が引き継ぐのか、売るのか、貸すのか
2024年4月からは、相続した不動産の登記が義務になりました。相続を知った日から3年以内に登記を申請する必要があります。誰が引き継ぐかを早めに決めておくと、家族の手続きが楽になります。
家を手放すまでの流れは実家じまいの進め方に、空き家になった場合の選択肢は実家が空き家になったらにまとめています。
体力があるうちに進めたい「モノ」の整理
モノの整理は、終活の中で最も体力を使います。判断も体力も必要なので、元気なうちに少しずつ進めるのが理想です。
進め方のコツ
- 1日に1か所(引き出し1つ、押し入れ1段)と決めて始める
- 「残す」「譲る」「手放す」の3つに分ける
- 迷うものは「保留」の箱に入れ、期限を決めて見直す
- 大型の家具・家電は、無理に動かさず最後に回す
思い出の品は、写真に撮ってから手放すと、気持ちの整理がつきやすくなります。
具体的な手順は生前整理の進め方で詳しく書いています。値がつく品を処分する前に確かめる方法は遺品整理の費用を買取で下げる方法が参考になります。
家族に残したい「想い」
医療や介護、葬儀についての希望は、元気なうちにしか伝えられません。
- 延命治療を望むかどうか
- 介護が必要になったとき、どこで過ごしたいか
- 葬儀の規模や宗派、連絡してほしい人
- お墓や仏壇をどうするか
これらを書き残すのに便利なのが、エンディングノートです。書店や自治体の窓口で手に入ります。
エンディングノートと遺言書の違い
エンディングノートには、法的な効力がありません。財産を誰にどう分けるかを確実に指定したい場合は、法律で定められた形式の遺言書が必要です。
自分で書く遺言書(自筆証書遺言)は、法務局で保管してもらう制度があり、紛失や書き換えの心配を減らせます。内容に不安がある場合は、司法書士や弁護士に相談してください。
仏壇やお墓の扱いは、家族で意見が分かれやすいところです。考え方と手順は仏壇・遺品の供養と処分にまとめました。
終活でよくある3つのつまずき
モノの整理から始めて、途中で力尽きる
いちばん多いのがこのパターンです。モノの整理は体力と判断力の両方を使うため、最初に手をつけると疲れて止まってしまいます。お金と契約の棚卸しを先に済ませておけば、途中で止まっても家族が困る場面は大きく減ります。
自分だけで決めてしまう
家や仏壇の扱いを一人で決めると、あとで家族や親族が困ったり、意見が食い違ったりします。決める前に一言、家族に伝えておくだけで、揉めごとの多くは防げます。
書いたものの、置き場所を誰も知らない
エンディングノートを丁寧に書いても、家族が見つけられなければ役に立ちません。書いたこと、置いてある場所を、信頼できる家族に伝えておくことまでが終活です。
今日からできる5つのこと
- 口座・保険・毎月の引き落としを紙1枚に書き出す
- エンディングノートを1冊用意する
- 引き出し1つだけ、中身を整理する
- 葬儀やお墓の希望を、家族に一言だけ伝える
- 通帳や保険証券の置き場所を、1か所にまとめる
どれも1時間あればできます。 全部を今日やる必要はありません。1つ終われば、それが終活の始まりです。
家族にどう切り出すか
終活の話は、切り出し方ひとつで受け止め方が変わります。
- 「死ぬ準備」ではなく、「もしものとき、家族が困らないための準備」として伝える
- 正月やお盆など、家族が集まる機会を使う
- 書きかけのエンディングノートを見せながら話す
一度で全部を決める必要はありません。話し始めることが、いちばんの前進です。
神戸市で終活を相談できる先
- お金・相続:司法書士、税理士、弁護士(遺言書や相続の手続き)
- 住まい・介護:お住まいの地域の地域包括支援センター(神戸市では「あんしんすこやかセンター」)。介護や住み替えの相談ができます
- モノの整理:生前整理・遺品整理に対応する業者
モノの整理を業者に頼む場合は、必ず複数の見積もりを比べてください。確認すべき点は失敗しない遺品整理業者の選び方に、費用の目安は遺品整理の費用相場にまとめています。
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